法政大学ビジネススクール「イノベーション・マネジメント研究科」修了!まとめいろいろ
法政大学ビジネススクール「イノベーション・マネジメント研究科」を2011年3月に修了しました。
こちらに通うことになった理由、学んでみて得たことなどいろいろまとめてみたいと思います。
中小企業診断士、MBAに興味がある方は、ぜひご一読いただけたらと思います。
法政大学ビジネススクール「イノベーション・マネージメント研究科(通称:イノマネ)」を選んだ理由
1. 中小企業診断士と経営管理修士(MBA)を同時にとれるから

私は、2010年に中小企業診断士の一次試験にストレート合格することができました。
一次試験に合格すると、次の二つの方法で中小企業診断士の資格をとることができます。
- 二次試験・三次試験を受験し、合格する
- 養成課程に行き、資格を得る
私の場合、二次試験の結果とは関係なく、一次試験に合格したら法政のイノマネを受験しようと決めていました。
中小企業診断士と経営管理修士(MBA)を同時にとれることが魅力的だったからです。
→ MBA特別プログラム(中小企業診断士養成)
また、もともと我流でコンサルタントを行っていたので、体系だって勉強をしたことがないのと、一緒に事業をできる仲間を探す意味もあって、二次試験に受かっても来るつもりでした。
実際、二次試験に合格したけれど、ここに入学した人が私の法政の同期にいます。
結果的に、二次試験は惜しくも落ちましたが、その前にイノマネに合格していたので入学を楽しみにしていました。
2.経営管理修士(MBA)を1年でとれるから
私には何年間も大学院に通うだけの資金がなかったので、「一年制がある」というのは大きなポイントでした。しかし、イノマネには二年制もあります。二年制なら、夜間と土日の通学なので、働きながら学ぶができます。自分に合ったほうを選択できるというのもありがたいです。ただし二年制では診断士コースは取れませんので経営診断実習の単位を取ることはできません。3.リストラされたから
私はアメリカ資本の外資系で研究員として働いていたのですが、リーマンショックのおり、さまざまな要因から、研究所が日本を撤退したのを機にリストラされました。ただ、以前から「いずれ日本から撤退するのではないか」という予感めいたものがあったので、いずれ独立か転職しようと準備をしていました。ですので、リストラされたときは正直、「残念だけどやっぱりか・・・」という感じでした。退職金と自由になった時間でイノマネに通うことができたというわけです。リストラされていなかったら今の私はありません。
勉学を通じて、特に印象に残ったこと
1.プロジェクトメソッドをやったこと
イノマネにはプロジェクトメソッド(以下プロジェクト)というのがあります。1年間ないしは2年間を通して、事業計画をたてて実践したり、研究テーマを決めてリサーチしたり、コンサルタントになるためのメソッドを確立します。自分でテーマを決め、教授の評価・アドバイスをいただきながら組み上げて、最終発表会で発表します。
卒業後に独立する人は、このプロジェクトを事業化する人も多いです。
私の場合、プロジェクトのテーマ決めから難航し、紆余曲折ありましたが、悩んだ分だけ得たものも大きかったです。
2.診断実習で多くの企業を診断させてもらえたこと
診断実習では、5社の企業を診断させていただきました。自分でコンサルタントをやっていたときは企業再生の案件ばかりだったので、きちんと経営されている会社を診断するのはとても良い経験になりました。
たくさんの社長さん、経営者の方の生き様を垣間見ることができ、一緒に未来を考えさせていただくことは、大変勉強になりました。
3.グループワーク
診断実習でのグループワークは、何より勉強になります。MBAに来るくらいですから、意見をしっかり持っており、プライドの高い方も多いです。自分ひとりでなら、自分なりの意見をきれいにまとめて提出することなど造作もないことなのですが、互いの意見を尊重し、意見同士を重ねたりぶつけたりしながら新しい物を産み出していくのは、時には骨の折れることでもあります。
効率よく、きれいにまとめようとすると、それなりの答えしか出ないですが、真剣にブレインストーミングをしながら、グループワークをすると思考が広がり、刺激されます。
それがグループワークの醍醐味でもあります。
日々の勉強、課題提出は大変だったか?
イノマネの一年制は、密度が濃く、入学前から「とにかくレポート提出が大変だ」と聞かされていました。
実際やってみてどうだったかというと、確かに「学ぶこともやることもレポート提出も多かった」といえます。
私は大学に通いながら仕事もしていたので、仕事、課題提出、プロジェクトの中間発表、診断実習が重なったときはさすがにオーバーワーク気味でした。
しかし、大変だったかどうかというと、「大変ではなかった」という気がしています。
こう言っては怒られるかもしれませんが、MBAも中小企業診断士もただの肩書きですし、
同じ肩書きを持つ人はゴマンといるわけです。
私がイノマネで求めていたのは、口を開けて待っていたら肩書きが取れたということではなく、
イノマネのメッセージにもあるとおり、「1年で10年の差をつける」にはどうすればいいか?ということです。
学校は環境しか用意してくれませんから、どんどん自分から取りに行き、自分から挑戦する以外ないんですね・・・
ですので、挑戦し続ける毎日は、刺激的でとても楽しかったです。
ある日のスケジュール
06:30 起床07:20 家をでる
08:00 つくばエクスプレスに乗る
09:20 学校到着
09:30 授業2コマ
12:40 お昼(学食は非常に混むので、外に行くことが多かった)
13:30 授業2コマ
16:40 グループワーク
18:00 仕事でセミナー講師
21:00 仕事から戻りグループワークに合流
23:00 終電に飛び乗る
00:30 帰宅
01:00 課題提出のためのレポートを書く
03:00 就寝
ハードな日の例を書いてみました。
授業のコマの入り方でもかなり予定が変わってきます。
診断実習が入るとまた大きく違った一日となります。
法政大学イノマネでの波乱万丈
1.プロジェクトテーマ難民
プロジェクト決めも難航しました。
私には当初からやりたいことがあったので、それをプロジェクトとして提出しました。
(当初やりたかったことについては、「2010年度在学生の声」というページに私のことが載っておりますので、そちらをご覧ください)
しかし、多くの教授から
「これはビジネスとして成り立たない」という厳しい意見をいただきました。
バックボーンが研究員ですから、「強みが活かされてない」ということも言われました。
その後、テーマを決め直して提出しましたが、再三ダメ出しをされることになります。
どんなに悩んでもまったく決まらず、2ヶ月間くらい自分探しと情報の中をさまよっていました。
出したアイデアのテーマは6本近く・・・
もうテーマのアイデアも出し尽くして、彷徨っていたときに、ポロッと素直に「テーマに困っています」と
ある先生に相談したのです。今までは、「自分でなんとかしないと」と、自分だけで解決しようとしていたのですが、自分だけではもう限界を感じてしまったんですね(笑) ポロッと、格好つけることもなく、素直に相談できたのです。
その先生から言われたのが、「プログラム書けるんだからビジネスゲーム作ったら?」という一言でした。それが驚いたことにスッと胸に入って来たんです。きっと自分の中で考え尽くしていなければ、聞き流してしまったのではないかと思うのです。
振り返ると本当に妥協してテーマを決めなくてよかったと思います。ただ、この2ヶ月間を妥協しないで悩みきってよかったと思います。
真剣に自分を見つめましたし、卒業のためだけのプロジェクトではなく、将来につなげるテーマを探し続けることができました。
2.主査難民
6月に自分のプロジェクトを見てもらう主査(教授)を決めるのですが、必ずしも自分の希望した教授を主査にできるわけではありません。それぞれの主査には、生徒の人数が決められているため、希望を出しても落とされることがあるわけです。事前に希望する教授と面談のアポを取って、自分から会いにいきます。人によっては10人以上会いに行くこともあります。私の場合、この面談期間になってもテーマが決まっていませんでしので、誰にも会いにいけなかったのです。そのときに持っていたテーマに合う先生に会いに行きましたが、 自分でもしっくりきていないわけですから話も弾みません。「ビジネスゲーム」というテーマに出会ったのが主査提出期限の3日前・・・テーマのアドバイスをくれた先生は、プロジェクトは担当されない先生だったので、そのまま主査難民となりました。
アドバイスをもらった翌日には「アントレプレナー用のビジネスゲーム」を作ることを考えていました。
私はFPの資格をもっていたので、それも合体させようと・・・ とはいえターゲットが定まらない。
主査難民のまま、いつもお世話になっている先生に相談しに行ったところ、「フランチャイズ向けはどうか?」というアドバイスをもらったことで、
「フランチャイズ加盟店向けビジネスゲーム」というテーマが決まったのです。
そして、そのまま主査難民の私の面倒をみていただくことになりました。今でも感謝の気持ちでいっぱいです。
3.プロジェクトのテーマと主査の選び方
赤裸々にここまで書いてきましたが、偉そうにしていても私のテーマは二人の教授のアドバイスがくっついてできたテーマです。ですが、自分を見つめて、悩んで、掘り下げたから、アドバイスを受け入れて、自分の強みをくっつけることができたと思っています。テーマを決めるときのチェックリスト、これが重要だったのです。以下、私流の「テーマを決めるときのチェックリスト」と「主査の選び方」をご紹介します。
テーマを決めるときのチェックリスト
(1)1年間以上、そのテーマで楽しく続けることができるか?辛くても乗り越えられるか?(2)そのテーマで事業化したことを考えたとき、ワクワクするか?
(3)自分の強みを生かしているか?
主査の選び方
「テーマに合わせて主査を選ぶ」、「自分と教授との相性で主査を選ぶ」、どちらで主査を選択すべきか?という質問がありました。私の答えは「テーマ」です。
自分と主査との人間的な相性というのも大事ですが、
プロジェクトにおいては、テーマを通して自分と主査はつながっています。
自分がやりたいテーマ、その思いを主査が一緒になって理解してくれない限り、
テーマが自分のものなのか、主査のものなのかわからなくなりますし、意見が食い違います。
ですので、テーマを決めて、そのテーマに合った主査を選ぶとよいでしょう。
法政大学イノマネを通じて、うれしかったこと
1.プロジェクトで「優秀賞」をいただきました
プロジェクトのテーマ難民、主査難民と二冠王だった私ですが、最終的には「優秀賞」をいただくことができました。
→ IM専攻優秀プロジェクト選考会を開催
奨学金(30万円)もいただくこともできました。
→ 奨学金
出だしが悪かっただけに、最終的には「優秀賞」に選んでいただき、本当にうれしかったです。
でも、正直にいえば、ちょっと悔しかったという気持ちがあります。
最優秀賞をとって、お世話になった二人の教授に胸を張ってお礼を言いたかったからです。
少しは恩返しできるかと思っていたので、そこだけは残念です。
ですが、本当の恩返しはこのテーマを事業化してビジネスに結びつけたときかなと思っています。
なので今となってはありがたい気持ちでいっぱいです。
2.教授に完全に信頼していただけた
最後の診断実習で、班長をやったのですが、教授から「もう大丈夫だよね」と完全に信頼してすべてを任せていただきました。プロジェクトに関しても「大丈夫でしょ」と信頼していただきました。人から信頼される、というのは大人になった今でもうれしいものですね。
それなりにプレッシャーはありましたが・・・
3.診断実習先の経営者から感謝された
診断実習で、経営者の方に「経営診断報告書」を最後に渡すのですが、その内容を読んでいただき、「これは役に立つ。ありがとう!」と感謝してもらえたときはうれしかったです。ある時は夏の暑い日に歩きまわって調査をしたり、知らないことを調べながら、自分たちで何度も話し合いながら作った報告書が、お役にたてるというのは本当にうれしいものです。
法政大学 イノマネで得たこと
1.中小企業診断士とMBAを取ることができた
これは修了すればもらえます。名刺交換をするときに「二つも持っていらっしゃるんですね」と言われると少し誇らしい気持ちになります(それだけですが)。
2.自分というものを見つめ直して、理解することができた。
これはすごく大きかったです。研究員のバックボーンを捨ててキャリアチェンジしようとしてたのですが、プロジェクトテーマを通して、真剣に悩んだので、修了後の生き方にブレがなくなりました。
今まで考えたこともないようなことをやろうとまでしてしまいますが(笑)
3.仲間や教授とのつながり
もともと、自分の背中を預けられる仲間を探しに来たというのがイノマネに来た理由ですが、本当に出会えてよかったです。「出会いは神の御業、別れは人の仕業」といいますが本当に感謝でいっぱいです。
<教授陣>
親切で優しい教授がたくさんいました。求めれば、協力してくださる教授ばかりでした。
卒業した今でも相談に乗っていただいたり、さまざまな関わりを持っていただいています。
<仲間>
バックボーンの異なる、さまざまな年代の仲間に出会えたことはかけがえのない財産となりました。
卒業した今でも、一緒に仕事をさせてもらったり、相談に乗ってもらったり、いろいろな人を紹介してもらっています。
法政大学 イノマネ科から現在につながっていること
1.株式会社を作って起業した

卒業することで、「中小企業診断士」と「MBA」も取得でき、起業するためのノウハウも勉強したので、今年の4月にめでたく起業することができました。
「株式会社 ロードフロンティア」という会社です。普通だと個人事業主からはじめるのですが仲間と一緒にやるので株式会社を作りました。まだまだ小さい会社ですが、これから大きな影響力を持てるくらいの会社に育てていきたいと思っています。暖かく見守っていただけるとありがたいです!
2.本の執筆
大学在学中から、仲間2人と一緒に本の執筆をはじめました。今年の夏(2011年8月)に日経ビジネス人文庫から出版予定です。
小川教授のブログで触れていただいています。
詳細が決まりましたら、こちらのブログからもまたご報告させていただきます。
3.法政大学 特任講師
法政大学 イノマネで特任講師を務めさせていただくことになりました。教えることによって、また学ばせていただくことも多いと思うので、今から楽しみです。
4.インキュベーションルーム
法政大学にあるインキュベーションルームを借りることができました(選抜者数名)。
ありがたいことに部屋の代金、光熱費が無料です。
一年間だけという制約つきですが、開業したてで資金のないときに東京の中枢で部屋を借りられることは大変ありがたいです。
allaboutでも紹介していただきました。
在学生、これからイノマネに入りたいと思っている人に応援メッセージ
僭越ながら、法政大学イノマネを修了した私より、いくつかメッセージというかアドバイスさせていただきたいと思います。
イノマネは勉強も当然ですが多くのことを学び、多くのことを得ることができる場です。
勉強だけなら本を買って勉強すれば大抵のことは身につきます。
最初はやる気に満ちていても度重なるレポート、オーバーワークが重なってくると、レポートを「ただこなすだけ」になってしまう傾向があります。
でも、それでは意味がありません。なぜイノマネに入ったのかを思い出してがんばって欲しいです。
もう一つは、教授や仲間、もしくはそこからつながる誰かとの縁が得られます。
「出会いは神の御業、別れは人の仕業」という言葉があります。
そのタイミングを逃したらもう二度と会えない人がいます。
縁を大切にするとそこから新しい何かが生まれることがあります。
現に私は入学前と今では人脈も出会いも大きく変化しています。
また、これからイノマネへの入学を検討している方には、「個別相談会」や「公開授業」への参加をおすすめします。
月に一度程度開催され、模擬授業、個別相談を受けることができます。私もここに行って相談してもらったことによって、安心して入学を決めました。
私はこの一年の間に、“イノマネに来なかったであろう自分”と10年分の差をつけられたと思っています。
今はそれを実証するフェーズで仲間と一緒に楽しくやっています。
皆さまのご健闘を祈っております!


